不覚にも

さるところで思いがけずお世話になった方に出会い二言三言言葉を交わすうち
不覚にも涙がこぼれてしまい、今まで涙は出尽くして涙壺を逆さにふっても
一滴の涙も出ないと思っていたのに我ながらびっくりした。。これまでしおらしく
ここで涙の一粒でも出せば可愛いものをと思うときは時折あったがそんな時でも
努力しても何も出てこなかったのだが。
齢とともに感情の起伏も緩やかにそして鈍感になり少々のことでは微動だにしない
横着ものにも少しの情が残っていたかと安心した夏の夕暮れ。